「仕事は楽しいもの」という幻想が、会社を楽しくない場所に変えてゆく - 誰からも後ろ指を指されない社内ニートになるための10の方法

終身雇用制度なんてとっくに崩壊したと思える昨今、社内で「仕事をしない・無気力」と認定された社員はあらゆる手段をもって淘汰されていくんじゃないでしょうか。そのへんの線引きが、ここんとこかなりシビアになってきているのを感じます。でも、だからって日本の企業に欧米風のドライな実力主義が蔓延しているかといえば決してそんなことはないんですよね。日本の企業の9割を占めるとも言われる「中小企業」では、未だに結果と同じくらいにその過程を重んじる、変な精神論がはびこっています。戦で名乗りを上げる前に斬りつけるのは卑怯者だ! みたいな「どんな結果を出したか」よりも「どう頑張ったか」。熱さとか、頑張ってる感さえ出しておけばオッケィ! っていう、結果を求めない松岡修三みたいな上司も、けっこう見かけますよね。


んでも、そういう上司って実はわりとやっかい。なんせ仕事の評価基準が「オレと同じくらい頑張れるヤツ!」だから、マトモに取り合ってたらこっちがもたない。で、一度でも無気力と判断した社員に対しては、そのレッテルをずーっと貼ったまま正当な評価をしてやらない。やる気がある・出来ると判断した社員は、もうオレのファミリーくらいなノリで猫かわいがりの過大評価。なんかもう、ダメな体育教師みたいなあからさまなヒイキっぷりですよ。


学校だったら、今はやりのモンスターペアレントならずともPTAなんかが怒鳴り込んで来てもおかしくないシチュエーションだけど、会社なのでそんな内部事情が問題視されることはまずありません。なんか、若手社員が急にヤル気無くしちゃうのも、その辺の理不尽さに理由があるのかも知れませんね。


ただ、自分を取り巻く環境を自分で変えることができる、それが会社のいいところでもあります。「仕事がつまらない」とか、「自分の能力が正当に評価されていない」、「ここでは自分自身が成長できない」なんて不満が積もり積もって、勢い余って会社辞めちゃうような若手社員、けっこういますよね。そういうヤカラの転職は、十中八九うまくいきません。そんな「逃げ」の転職が上手くいくほど、世の中甘くないって。だいたいね、仕事とか面白いわけないじゃんってことですよ。確かに一時的に面白いように感じることもあるにはある。でも、それはプレッシャーと達成感の狭間で変な脳内麻薬が出まくっているだけ。そういう脳から変な汁が出るようなアレが大好き! って人もいるにはいますけどね。おしなべてみて、仕事なんて面白くない。それは言い切れる。


「楽しくないのは自分の能力が足りないから」などと自分を卑下したり、楽しくもないのに「た、楽しいですよ!」なんて、自分をだまし続けるくらいなら、「基本的に面白くない」と認識してしまった方がラクですよと。そういうことです。


ただ、「仕事が面白い」と「会社が面白い」は別。仕事を面白くするのは至難の業だけど、会社を自分にとって面白い(…とまではいかなくても居心地の良い)場所にするのは、そんなに難しいことじゃないんです。会社全体を変えることなんてなくって、自分の周りだけ変えればいいんだから。男性ならば恐らく、一生のうちで一番長い時間を過ごす「会社」って場所。どうせなら居心地のいい空間にしたいもんですよね。


それにはまず、「仕事は基本的に面白くない」と認識すること。その上で、「仕事をせずに会社で安穏と過ごす方法はないもんだろうか?」それを考えることで、華麗なる社内ニートへの扉は開かれます。「仕事で自己実現!」なんて幻想を持っても、報われることなんて滅多にないですよ。つか、「んなことねぇ!仕事は面白い!!」って人がいたら、そういう人にこそ、我々社内ニートを養うべく、頑張ってもらいましょう。ね!