誰からも後ろ指を指されない社内ニートになるための10の方法

インチキ専門学校卒、フリーターから地元のやや有名企業に潜り込み、社内ニートとしてもうすぐ10年を迎えるオレが経験則から編み出した「いかに仕事をせずに社内ポジションを保持するか(もしくは自分の能力を過大評価させる10の方法)」。一生懸命やっても、どうせ誉めてもらえないという貴方、腐っていてはソンですよ!この10箇条のライフハック(笑)をぜひ実践して、社内評価とお気楽生活を一挙に手にしてみてはいかが?




(1)本当にこの会社にいるべきなのか?

「会社にいて仕事をしないのは、仕事をすることより難しい」。普通の会社というのは、みんな働いて当然というスタンスですから、この認識が必要です。仕事をしないと居られないような会社であれば、辞めた方がいいでしょう。また、自分以上に仕事をしていない社員が複数見られる場合も、早めに辞めるのが賢明です。新たなステージでこそ、あなたの社内ニートとしての才能は開花するのかも知れません。



(2)立ち位置をしっかり確認する

組織がキッチリしているシビアな会社では、社内ニートは生息できません。義務と責任の狭間に咲くあだ花、それが社内ニートです。あなたが、ちゃんとしている会社にいるなら、ちゃんとした方が間違いなくトクします。ちゃんとした会社かどうかは、2ちゃんとかで確認してみるといいでしょう。残念ながらあなたの会社が「ちゃんとしていた」としても悲観することはありません。ちゃんとした会社にも、ちゃんとしてない部署はひとつふたつあるはずです。そこへ「あえて」転属願いを出す(不採算部署を自分の手で立て直すくらいの大風呂敷を広げて)のも手です。



(3)秘密兵器と錯覚させるために

厳しさを増すビジネスシーンの片隅で、社内ニートとしてひっそり暮らす(そう、高山に咲く希少植物のように!)ためには、まず自身のキャラづけが必要です。例えば、ドラマ「相棒」における水谷豊のように、「独特の才能を持っている雰囲気」を醸し出すことを推奨します。水谷豊であれば物語上、事件を解決しなければなりませんが、あなたは雰囲気を出すことだけに腐心すればいいのです。具体的には、あなたの会社(もしくは事業部)が、まだ手を出していない分野の書籍を買い集めて机上に散乱させたり、できるだけ年輩者の揃った会議の場で、わけの分からないビジネス用語を連発してオッサン社員を煙に巻いたりすればいいでしょう。ただ、その後のフォローはくれぐれもお忘れなく。キーマンを絞った丁寧なフォローで「知識をひけらかす」イメージではなく、「熱心さが故に」専門用語で熱弁を振るったイメージを演出しましょう。



(4)新規事業・困難案件には積極的に参加

社内ニートっていってんのに矛盾してね? とお思いの貴方、ちっと黙っとけ。社内ニートとなった貴方を守ってくれるもの、それは「イメージという幻影」以外にはありません。(2)のイメージ付けの延長で、ただの扱いづらいキモメン的な評価を避けるために、仕事には積極的なポーズをつねに取り続けましょう。ただし、責任者ではなくあくまでサポートとして。責任者はハイリスクハイリターンなので、失敗したとしても(それは大した問題じゃない)、一定の評価はもらえるサポート的なポジションがお勧め。諸葛孔明気分で「殿!敵は総崩れですぞ!」とか言っておけば、責任者もご満悦です。「おだてに乗りやすいタイプの上司」が責任者になったときは、すかざすそのプロジェクトに参加しましょう。おだてまくれば、勝手にどんどん走っていってくれます。失敗しても、元から「困難案件」なので貴方のせいにはならないはず。むしろ注意すべきは与し易い案件です。



(5)なんとなくネットを仕事みたいにする

どうせ一日中ネットに張り付いているんだろうから、日中ITmediaあたりで集めた、なんとな??く会社に関係ありそうな事案を、週に1回まとめて上司に提出してみたりするといいんじゃないかな(月曜の午前中あたりに「週末に調べ物をしててこんなニュースが…」というスタンス)。とりあえず、IT系のニュースはいろんな業界(とか顧客)に結び付くのでお得です。そのうち、社内でネットを見てても、仕事の調べ物をしてるんだとか思ってもらえるようになります。



(6)人間関係は広く浅く、上司はピンポイントで

リアルニートに一番欠けている能力「コミュ力」。これが社内ニートでは大切なスキルのひとつになります。決して過剰にはならない程度に、ツボを押さえたアプローチ。この距離感が大切なのですが、こればっかりは現場の空気を肌で感じながら調整していくしかありません。ポイントは「広く浅く、上司はピンポイント」。現場社員は年齢・キャリアを問わず広く浅く(仲良しになる必要はありません!笑顔で挨拶を交わす程度で十分)、上司に関しては"現場まで見えていないような、やや上級の上司"とピンポイントで親しくなれれば完璧です。社内の空気を読みながら、大変そうな同僚や部下に声を掛けたり差し入れをしたりする。実は、これが社内ニートで一番大変なポイント。他人に気を遣うとかまっぴらゴメンだぜ!とかいう中二病をこじらせたような人は、社内ニートとかせずに、まじめに仕事をすればいいんじゃないのかな。



(7)備えあれば憂いなし

ここまで来ると、あなたは社内ニートとしてかなり居心地の良い住処を見つけているはずです。しかし、過信は禁物。あなたの回りでは、厳しさを増す景気動向に多くのビジネスマン達が喘いでいます。あなたの同僚も例外ではありません。ぬくぬくとお茶を啜っている貴方を見とがめて、「いいかげんに仕事しろ!」と怒鳴り込んでくる場合もあるかも知れません(最悪の場合、直接上司にチクるかも!)。そんな時は務めて冷静に対処しましょう。ヒマに任せて作っておいた企画書(題材はなんでもいい)や、社内システム改善案などを見せて、「実は上司の勅命で内々にこの案件を進めている」と返してみてはいかが?このような状況に備えて、なんか適当な企画書を2本くらい用意しておくと安心です。また、怒鳴り込んでくるような同僚は、きっと仕事で余裕がなくなっている状況のはず。ここは飲みにでも誘って、悩みを聞いてやるふりをしてガス抜きをすれば問題ないでしょう。



(8)攻撃は最大の防御

上記のようなケースがあると、どうしてもその怒鳴り込んできた当人を中心に、貴方への疑念の包囲網が出来上がりがちです。上記のケースがあれば、即座に「逆包囲網」形成のための対応が必要です。当人への対応をしっかり終わらせた後で、「あいつ、大変みたいだからフォローしてやってね」と、彼の回りの人たちに彼を気遣うように促します。これで、彼が貴方に対しての不満を口にしたとしても、周囲の人たちには「心配してくれている人を悪し様に言う人間」としてインプットされます。ただ、彼を悪人に仕立てないよう、細心の注意が必要です。本当の悪人は貴方なのですから。自分はラクして、他人に気持ちよく働いてもらう。それが社内ニートの真骨頂です。



(9)記録に残る仕事より記憶に残る仕事を

社内ニートとはいえ、あなたが会社に在籍し続ければ、先輩や退職者からの引き継ぎ物件も入り、大して働かなくてもそれなりの売上を上げている状態になっているはずです(面倒なクライアントは即、元気な後輩に引き継ごう。金額が大きければ感謝までしてくれる!)。一部のしっかりした会社を除いて、中小企業の社内評価なんていいかげんもいいところです。同じ1000万円の売上であれば、より派手にいきましょう。200万円の10年契約より、1000万円の単年契約。取引先が10年後、ホントに続いているかなんて、誰にも分からないのですから。



(10)社内ニートで出世できるか?

結果的に言えば、出来ます。一代で財を成したような創業者社長は別ですが、たいがいの中小企業の社長は、人望と調整能力だけのボンクラです。決定権なんて、多くの場合、社長個人に委ねられるなんてことはありません。要は「いかに上手く人を使えるか」。社内ニートである貴方の最終的な目標は、「社長」と言う名の社内ニートなのです。